とんだマッチポンプ

僕の大学(学部)時代の学科名は誤解を与えやすい名前らしく,
僕が入学する前は名前に引き寄せられて,やりたいことと実際の研究教育内容を間違って入ってきてしまった人がいたそうだ.
僕が入学した年次から,2回生になったら学科配属されるというようなシステムに変わったことで,
それまでに説明に時間をかけることができるようになったので,そのことを嘆く先生の話はそこまで聞かなくなってしまった.
それでも僕が初めて配属された時は,学科のエラい先生が「ここは◯◯ではなく,△△です,◯◯がしたい人は,別のキャンパスの学部に行くように」というような説明をされてたと記憶している.


「名前重要」という言葉があり,データを入れる物(変数)に対して誤解されないような名前をつけることを,プログラミングをするときに重視するコミュニティが存在する.
学科の名前を命名するのは志望校を決定する入学する以前の高校生ではなく,
その組織に所属する先生だったり職員だったりするわけで,
自分たちが何をしているかということをきちんとわかっていないと,いい名前は付けられない.

名前にも流行り廃りがあるようで,
僕らが大学生になる前は,「情報」だったり「バイオ」だったり「国際」だったりが流行ってた気がする.
ググったら出てきた最近の新設学科名のリストを眺めてみると「地域」とか「地球」とかそういう名前が目につく.

いろいろと立場や葛藤があるという話を聴いたことがある.
多くの大学は人が集まらないという話も報道されている.
しかし,教育は百年の計とも言うし,小手先の名称変更や体制変更だけでなく,もう少し腰を据えて取り組んでほしいなぁと思う.
あるいは名前をきちんとつけて,説明するところに労力をかけるとかね.

いくら素晴らしい教育や研究をされていても,毎年毎年エチケットペーパーを学生たちに言っているようではなぁという気持ちになる.とんだマッチポンプだと思う.
「大学入試における偏差値は,実は学生の良し悪しではなく,教職員の良し悪しである」と言った先生の言葉が思い出される.

プレゼンテーションにおける誤解は受手の問題ではなく,発表者の問題である.という言葉を意識しなければならない.