だるい

地方のコミュニティでは反社会的な行為をすることが武勇伝となり,
子供が出来た頃には「あの頃はやんちゃしたなぁ」と語り草になることがある.
そういう行為をする子供を育てている親もまた(元)同類であることが多く,
それを真っ向から否定するわけではないが,程々にしておいてねという雰囲気が
社会全体を覆うというような状況が地方にはあると思っている.


元々そういう人間は平成の世に突然現れたわけでもなく,昔から一定数存在したというのが僕の認識.
最近話題になるのは,記録の保存が簡単になり,伝達手段が彼らの不自由すること無く使われるようになったため.
そういうコミュニティに所属せずとも見ることができるようになったというだけのことだと思う.


面白いと思うのは話題にあげられる「舞台」がシステム化されたチェーン店ばかりであって,
風営法などで取締りの対象となる「溜まり場」的なところではないところかなと思う.
地方都市ではどこにでもあるチェーン店が,お知らせの文章をWebページに掲載したという話を聞きながら,そんなことを思う.
また,話題となる店舗の所在地が,地方または地方都市とよばれるようなところでというのも面白い.


それらのチェーン店の特徴は,安さであったり便利さであったりする.
その売りをシステムの上に載せて提供するという共通点があると思った.
ルールを決めて,全国どこでも多少の差はあれど同じ振る舞いを期待して運用するという構造.
これらのシステムの設計者が「高学歴」ばかりのお陰で,このような問題はこういう「くだらない」形で現れるのかもしれない.


客としてのヤンキーは今も昔も消えることはないという立場を取り,
今回の問題は従業員が反社会的な行動を取ることは新規性があると考え,
どのようにして従業員に反社会的な行動を謹んでいただくかということについて考えた.




#しかし,聞くところによると知的労働者もまた,こういう問題を認識した際,
#上部組織からの通達のみで解決しようとする場合が多いと聞く.
#そんなのは再発防止とは言えないと思うし,
#まぁダメな人間になんとかしてもらう技術ってのは一生確立されなさそうだなぁと思う.


チェーン店は安さや便利さを追求するがゆえに,
働く従業員に対しての報酬を軽く扱い過ぎていないかということを考えてしまう.

時給だけでしか考えられないというのも不幸なことであると思うが,
その労働の中で得られる価値をわからせてあげるということも重要なことなのでないかなと思う.

典型的な時給以上の価値を労働者に与えているチェーン店であるスターバックスにおいては,
バカ盛りするのは従業員ではなく客側である.
知り合いにあそこに勤務している人がいたが,本当にコーヒー屋で働けることが楽しそうであったことを思い出す.


時給以外の価値を高めることが必要だと考える.
馬鹿騒ぎをしたいやつらは,身近な世界で英雄になりたいだけなのだ.
彼らは,守らなければいけない家庭がないから,どうしても鉄砲玉のようになってしまうのだろう.
時給以外の価値を与えることで,経営側にとって不利益にならない程度に英雄にさせてあげることが,
バカなアップロードを回避する方法なのではないかと考えた.


# 僕らは実生活やネットで承認欲求を満たす術を知ってるから,面倒であり,
# 下手な大学院生のやる気を出させるより楽なのではないかとさえ思ってしまう.


しかしシステムの末端になれば,現在のようなやり方は仕方ないのかもしれない.
地方に行けば行くほど,「上司に飲みに連れて行ってもらいました」というfacebookの投稿が増えている気さえする.
一種のやりがい搾取かもしれないが,きちんと給与を与えた上でやりがいを与えるのであればむしろ好ましいとさえ思えてしまう.


そして,「こちら」の世界の人間であれば,そういう人が出てくるのは仕方ないという気持ちも高めることと,
バカと言ったやつがバカと思われる社会を作ることが必要ではないかと思う.
世の中にはいろんな人がいる.
そういう多様性を認識できずに自身の価値観だけで一方的に叩くのは醜いと僕は考える.