これまで部活やサークル,学生団体のリーダーの経験がある方はお書きください.

日本の就職活動では,上記のようなことを書く欄がある.

学部時代,文化部の部長をしていたため,「経験がある方」ということになる.
今となればもう2年以上前のこと.僕が引退した次の年は一個下の後輩が部長となり,その翌年は一個下の後輩が部長となって,今では僕の知らない誰かがあの部活を引っ張っているはずだ.


初めての部長経験だったものだから,同期や後輩にはかなり迷惑をかけたし,先輩にまで迷惑をかけたと思う.情けなかったなぁ.それでも1年間やり遂げて,次に引き継いだということは,ちょっとした自信になっているらしい.


リーダーの経験ということで,部長の話をするけれど僕は自分自身に「リーダーの素質」や「他の人を引っ張る力」なんてないと思っている.
それでも1年間やってみて見えてきたものはあったようで,それは「人間がどれほど身勝手かということ」だと思う.


誤解が無いように書いておくと,当時身勝手だったのはむしろ僕の方でいろいろと迷惑をかけた.あの部員たちは本当にすてきな人たちばかりだったと思う.「彼らが身勝手」ということではなく,「人間が身勝手」ということなのだ.


例えば催しごとのシフトを決めるときなんて,みな抑えてるようにはみえるけれど,結構わがままなことを内心思ってるんだななんてことがわかるし,それが出てきちゃう人もいる.自分自身の予定を優先したい人ばかりというわけではないけれど,それでもすべてを預けますなんて言える人はなかなかいない.僕が下級生だった頃なんてわがまま言いまくってた.


みんなでいるときは黙っているけれど,一人一人に話を聞いてみると意外と好き勝手なことを思っているし,言っちゃうってのも面白かった.部長面して,不満を聞いて回ったり相談に乗ってみたりしたこともあった.まぁ僕が逆に相談乗ってもらうことが多かったけどね.


自分自身が学んだことは,人から押しつけられるのではなく,自分からjoinしてきた人たちの集団をまとめるのは難しいという当たり前のことだったし,まとめるためには制度ややり方の設計をきちんと知らないと物事を進めるのは難しいということだったと思う.
まだまだ先のことを考えて行動するのは苦手なのだけれど,それでも今でも他の人と作業するときは相手が楽になるようにということを少しは考えたりしてる.たぶん下っ端のままだったらずっと「コメンテーター」の思考に凝り固まってただろう.


こういうのは,道ばたを歩いていて車の動きがいままでは読めなかったけど,自動車を運転し始めて車の運転している人の気持ちがわかるというのに似ているかもしれない.どちらのロールも体験しておくと,見えてくるものはあると思っている.


こんなのは当たり前のことかもしれないし,むしろ1年間もやっていて学びはそれだけかと言われると何も言えないのだけれど,一番印象に残っているのがこれなんだから,仕方ないのだ.