フリーライダーとどう向き合うか

文化を醸造することに興味がある.
例えば研究室の話であれば,自分のデスクには自身の興味に関する本を置き,
共有スペースには自分の部屋では読まない漫画をおいている.
日記にはイベントやお店の情報を載せることを良しとしているし,
自分が消費する音楽や本には極力著作者にお金が行くような仕組みを使っている.
勉強会ではなかなかトーク出来ていませんね,徐々に増やしていこう.


別の主義主張を持ってフリーライドをする人間も少なからずいる.
具体例はみっともないので列挙しないが,各々考えてほしい.
これは別に政治や法律の話ではなく,むしろ身近な話であることだけ付け加えておく.

こういう人間も許容することも含めて文化であるというふうに考えることもできる.
別の主義主張というのもわからなくもないのだが,
見ていてやはり気分のいいものでもないのも事実である.
心がせまいことは承知のうえである.

規約やマナーという言葉で明文化したいとは思わないが,
自身の気分の悪さを払拭するには,そうせざるを得ないのだろうかと歴史を学びながら思った次第.

「電書はてなブログ 準備号」読んだ

要約

  • Kindleでの読書体験が現実の本に追いついていない
  • 有限は良い

本題

内容については,その辺の学生がまとめたようなTumblrとかではなく,
就業時間中に社内の編集者がまとめたものだろうから,特に不満はない.
それぞれは無料で読むことができるだろうから,内容というよりも編集のコストにお金を払ったつもり.


研究室で人間をダメにするソファーに寝っ転がりながら読んだ.
デバイスはAndroidの携帯電話のKindleのアプリを使って読んだ.


その日ちょうどAmazonで英語の技術書が無料だったことから,
勢いで課金してしまった.知り合いが買ってくださいみたいなことを投稿してたのも影響した.
勢いがなければ買わなかったと思う.


慣れもあるのだろうけれど,普通に文庫本を読むほうがいいなと思ってしまった.
ハードウェアの問題も大きいのだろうけれど,ページの遷移中引っかかったり,
「気持ちよさ」みたいなのがなかった気がする.
デジタルのブックマーク機能や複数デバイスの共有は便利だけれど,そこまでして読む内容ではない気もする.
でも,はてなにはそれはどうしようもないと思う.


別の日にiBooksepubの書籍を読んでいたけれど,
「気持ちよさ」みたいなのがあった.
Appleの製品は不自由な代わりにこういうところがうまく設計されてる気がする.


人が表紙や紙質や印刷に拘るように,デバイスに拘るということは不自由な反面,
体験としては上質のものを与えられるという点で良い.
例えば写真はディスプレイではなくプリントが最高だというのも,かなり不自由だけれど,
体験をコントロールできるという点ではよい.
情報学徒のくせにこういうこというのはダサいと思うけれど,今までの体験や価値観の総意なので仕方ない.



ブログをRSSで購読していて,今回掲載されているものの中には読んでいたものもある.
RSSの未読件数,今はこんなことになっていて辛い.
f:id:teens:20130725161105p:plain

確かにブログの一つ一つは数十件のエントリなんだけれど,
まとめると700くらいになって,見る気が失せる感じになってる.
誰かに「これはいいから読んでみてよ」とおすすめできる量になってるってのは,読者として安心感があった.


よく本を読む時,あと残りページは何ページあるとか確認することがある.
iBooksは「この章はあと◯ページです」って表示してくれて,僕みたいな人のことも考えてくれてる気がする.


この準備号,10エントリーくらいで読めるし,一日で読めるってことがストレスがない.
あれも読まなきゃ,これも読まなきゃみたいな感じになるのは辛い.
RSSリーダも有限ではあるけれど,まともに向き合おうとすると無限の長さを感じるし,
この書籍に関しては,有限を感じることが出来て自分の中できちんと消化できた気がする.

長さについては人それぞれ好みがあると思うけれど,
人をダメにするソファーに深夜頃に寝っ転がりながら読む量としては適切だった気がする.


という感想.

Web,Twitter,所属,発言について

表現の自由関連.

官僚がTwitterで失言をした件について,メディアから非難されている.
復興庁参事官Twitterでの愚痴垂れ流し事件 - 発声練習

確かに失言もあっただろうけれど,そこまで非難することかなとも思う.
被災者という相手があることなので,復興を支援する団体としてはそこは敏感になる必要はあるけれど,
むしろ内部の問題もいくつかあるので,なかなか難しい.自分の所属する団体についてあれこれ書いたら非難されるのはちょっと行き過ぎてるところもあると思う.
外野があれこれ言い過ぎるのはちょっとおかしい気がする.


公務員の待遇を悪くしておきながら,公私共に誠心誠意の対応を求めるの,ブラック企業に近いと思う.居酒屋の雇用者に対して24時間会社のことを考えろという経営者は非難されるのに......とか思う.
ビッグブラザーは国ではなくマスコミであり国民なのではないかと思えてくる.

結局,「公務員だから」ということで片付けられるのだろうか.確かにいろいろと認められてない自由もあるわけだし責任もあるからしかたないのだろうけれど......
あんなおっさんがリラックマのアイコンでキャリア官僚の生々しいツイートするのは面白みがあったと思うのに,残念.




それにしても,所属と表現の自由の問題は難しい.官僚でも失敗するのだから普通の人はもっと失敗すると思う.失敗してあたりまえみたいな雰囲気にしてほしいし,失敗しても復活するみたいな感じのほうが生きやすい.

僕は,大学入ってから大学院にくるまでアカウントに対する考え方は変わってきた.
前は単なるティーンズだったし,実名情報と結び付けられることはなかったけど,
@先生のおかげで頑張れば実名と結び付けられるようになってしまった.親にアカウントの件を追求されたので倫理的な面では怖いものなくなったと思う.@先生も結構学生のことを書いてたりしたので,一気に所属と本名とネット人格に対する緊張感が高まった.今は一見して「◯◯大学にいるティーンズ」くらいの感じで,調べれば「◯◯研究室にいるティーンズ」や「本名◯◯ことティーンズ」くらいになってると思う.
教員は個人事業主みたいな感覚でツイートしてる人が多いけれど,多くの学生はサラリーマンになるわけだからその辺の自由が学生から社会人になるとき一気に大変になると思う.みんながサイバーエージェントみたいな会社に行けばなんとなく「うぇーい」みたいな感じで許されると思うけれど,みんながサイバーエージェントみたいな会社に行くわけではないし現実は厳しい.


今は「なんとなく頑張ればネットストーキングできる」くらいを目指してる.頑張れば本名とid:teensを結び付けられるというような感じ.こういうのは特に教員や友人が作りだした環境によるところが大きい.正直ゼロからやり直したいところもあるけれど,今までの交友関係もあるので,学生のうちはこのまま行くと思う.

facebookはまた別で,本名や所属を公開してやってることと交友関係に言及が行くことに責任が持てないので,ティーンズとは別人格で運用してる.

今の環境,僕自身は書きたくなるほど悪いと思ってるところないので,*1ストレスたまらないけれど,嫌な感じの組織だと,書きたいのに書けないネガティブな内容が増えると思う.上記の官僚,愚痴を言える人が忙しすぎていなかったのではないかなと思う.オフラインは大切.


来年から就職するのだけれど,内定先をネットに公開することに対して人事から何も言われていないのでWeb上では公開していない.facebookも同様にして.知り合いに「社訓」をfacebookに「自身の夢」として公開して,ググれば一発で内定先がわかる人がいたけど,そういうこともしてない.引き続き僕の所属については僕が公開するまでは秘密にしておいてほしいです.


一番いいのは来年の4月1日以前の発言は時効が適用されるみたいな感じ.不適切ツイートしてるのはある程度自覚していて,社会的影響力がないおかげでスルーされてたけど,マズい言葉みたいなのもいくつも投稿してると思う.消したいけど消せないみたいなのがもどかしい.
参考になるのはOBの方々の振る舞いで,その方々は所属をオープンにはされてないので,一件どこの所属か知らない人がみたらわからないようになってる.


学生がソーシャルメディアやるうえで参考になるのは@先生のはてダやTwitter運用の話.
学生がはてなダイアリーを使うときに気をつけるべきこと - 発声練習
あなたがTwitterを使うときに気をつけるべきこと - 発声練習
自分の本名についてはなし崩し的に参照可能になってしまったのが残念だけれど,お陰でたいして炎上することもなく所属に大きな迷惑をかけることもなくここまできた.

自身の人格についてもそうだけれど,特に意識する必要があるのは,他者の扱いについてだと思う.
企業法務マンサバイバル : 「パーソナルデータ研究会報告書」に出てくるパーソナルデータの区分と取り扱いルールを表に整理してみた
相手がそのドメインで公開してる情報なら,公開するみたいなのを基本ポリシーにしてる.
でも,Twitterで本名でリプライされても殆どの場合特に気にしないことにしている.
「自分に厳しく,他者に優しく」が苦手な僕としてはよく出来てるほうだと思う.


企業の場合だとIBMのポリシーが公開されてるのが参考になる.
IBM ビジネス・コンダクト・ガイドライン - Japan
IBM ソーシャル・コンピューティングのガイドライン - Japan

*1:他の人は僕に対する不満をこらえてもらってると思う.申し訳ないけれどありがたいとも思う

他人に使わないようにしたい言葉

他の人を褒める時,他のものをけなさないようにしたいというのがある.
僕自身,遠くない昔失敗したことがあって,
ある人を褒めるときに他の人を引き合いに出して,他の人を貶して褒めてしまったことがあった.
その当人に「そういうことを言うのはあなたの言語運用能力が低いからです」と言われ,なるほどと思ったことがある.

先日も他の人を引き合いに出して,話を展開しようとしたことがあったのだが,
これはマズいと思いその部分をお蔵入りにしたことがある.
表現の幅を狭めるというのはあるし,時には毒も必要だとも思うが,
わざわざ他の人に嫌な思いをさせてまで展開するほどでもないなとも思うことが増えたので,
使わないようにしている.



それとは別に,「つべこべ言ってないでコード書けよハゲ」「本当にやりたい人はもうそのことをやってる」というような言葉も他人には使いたくないなと思う.*1
この言葉,つべこべ言うことが多く,手が遅い自分に一番突き刺さるのだけれど,それは自分の心のなかだけに留めておいて,他の人にはできるだけ使わないようにしたいなと思う.

後者は,よく人に助言をするとき使ってしまうことが多い.
大体それを言ったところでハッとすることはあれど,それ以上にやる気がどうしようもなく上がってくるわけでもないし,道が見えるわけでもない.

相手が「やりたい」と言ったことだけを信じて,適切な粒度のアイデアを与えることが良い助言なのだと思う.

*1:好きな言葉だけれど

男性化社会における女性

まだ自分の中で答えが出てない話題なので,断片的に書く.

現時点での自身の発言部分には責任を持ちますが,自分でも答えが出ていない話題なので,
今後,意見が変わる可能性も十分にありえることをご承知おきください.

Ruby Kaigi 2013

miyagawaさんのpodcastでも話題にされていたが,
昨年行われたプログラミング言語カンファレンス(yapc?)でも同様の問題があり,
関係者が所属する企業から解雇されたという話があったと思う.

児童ポルノ法

単純所持.
隠れて所持すること.
被害者の感情.
被害者なき犯罪?

研究室における......

理系研究室にみられるようなフィギュアやアニメポスター,グラビアアイドルの水着ポスターは女性が不快にならないのか?
イスラム教など女性の露出が一般的でない宗教における人たちのことを考える.

next49さんが研究室の嗜好品(ポスター等)についてブログに書かれていたと思うが,発見できず.Twitterだったか.

研究における......

SEXI 2013 | Workshop on Search and Exploration of X-Rated Information at WSDM 2013
(言語カンファレンスにおける)アダルトサイト運用の話や,(WWW分野の)アダルトサイト解析の研究は?
P2P研究のように申請制にする必要性?*1


雑感

問題点の切り分けができていない.


どこまでをグローバル化してどこまでを文化とするべきなのか.
僕にはアダルトサイトを大勢で見る文化も無いし,アダルトコンテンツを消費したということすらWebに明確に書くことを避けているが,全員がそうではなさそう.高校時代の同級生は体育会の部活でアダルトビデオを仲間内で見ていたというし,情報系の多くの学生は18禁のゲームを消費する話をする.
電車内で『プレイボーイ』やhentai漫画をみることがどれだけ通常のことで,どれだけ異常なことか.


上記が既に日本国だけの問題ではないという意識も若干ある.

*1:僕のいる大学では申請しないとP2Pのファイル共有ソフトウェアは使えない

工学博士

知り合いが新聞に工学博士として紹介されているのを見たけど,
本来なら工学博士じゃなくて博士(工学)だと思う.年代的に.

自分が大学院にいるからだろうけれど,
「工学博士」とか「◯◯博士」って書いてあると,年齢を行った人という印象がある.
「博士(工学)」で,長老みたいな人いない印象がある.

自分のボスは工学博士だけど,あと1年遅かったら博士(工学)になってたっぽい.

映画のガリレオに登場する福山雅治は博士(理学)だと思う.


僕のいた大学は情報理工学部だったけど,学士(工学)です.
特にオチはないです.

なぜR大学情報理工学部の新入生にMacintoshを薦めたのか

以前,2011年の新入生に向けて
R大学情報理工学部に入学される方に,1つだけ言いたいこと - teenstの日記
という記事を書いた.

この記事,当時はあまり言及されていなかったのだけれど,新年度にはアクセスが増えているようなので,
新たに書きなおそうと思う.


Yahoo!知恵袋に,上記の記事を見て質問した人がいるようで,それに関する回答が興味深かった.

これは学校に問い合わせたりしなければわからないことですが、入学前にPCを購入するのはおすすめしません。
この時期は皆さんPCを買いたがるのですが、実際に入学してみないとそれからのPC環境というのはわからないことも多いのです。

立命館大学情報理工学部に入学して新たにノートPCを買います。 自分は長年windows... - Yahoo!知恵袋


確かにベストアンサーのいうことはもっともらしく見えるが,所詮は一般論でしかない.
「大学・学部の現状」と「想定読者である新入生の状況」を踏まえていない回答だと僕は思う.



確かに僕の上記の記事も小手先のツールの説明ばかりしていて,わかりにくかったと思う.
ただ,想定していた対象の読者が,プログラムすら書いたことのない情報系の新入生,つまり入学当時の僕を想定していたのだ.
そんな人にLinux最高ですなんて言っても,敷居が高いため,より使いやすくわかりやすいUnixが使えるMacをおすすめした.

入学当時の僕はオリターと呼ばれる先輩に,何を買ったらいいですかねと聞き,「なんでもいいのでは」と言われ,
家電量販店に行き15インチのディスプレイに3kgの重さのWindows VistaというOSが乗ったVAIOを購入した.
実はそれはなんでも良くなくて,僕は1年間ほど不自由を強いられることになり,
その後Linuxをインストールすることになった.

確かに講義でWindowsのソフトを利用することはあるのだけれど,そこはあまり重視すべきではない.
経済学部,経営学部のためのWindowsが馬鹿みたいに大学にはあるはずだし,
それらを利用したほうが捗ると思う.
我々はソフトウェアの使い方を学びに行くのではない.
具体例を出して言えば,我々はPowerPointの使い方を学ぶのではなく,良いプレゼンテーションを行なう技術を学ぶために大学に行くのだ.

先輩がどのようなPCを使っているのか、授業などでどのようなソフトが必要なのか。
こういうことがある程度わかってから購入したほうが良いこともあります。
学校によっては学割があったりする場合もあります。

あまりインターネットの情報は信じず、自分の目で確かめたほうが良いです。

立命館大学情報理工学部に入学して新たにノートPCを買います。 自分は長年windows... - Yahoo!知恵袋

残念なことではあるが,そもそも学部の先輩は信用出来ない人が多い.
「良い情報理工学部の」先輩の見分け方は「ポインタわかります?」と質問することだと思う.
これでわからないなんていう人は「情報理工学部」の先輩としては,友人の噂話の情報源以上の価値はないので,
連絡先を聞くだけ聞いて他を当たるべきだ.
君がコンピュータの話を聞くべきは「その辺にいる」情報理工学部の先輩ではなく,
「事情もわかって」「デキる」情報理工学部の先輩である.


Linuxのインストールは,Windowsのオールインワンの環境に慣れた人にとっては面倒だと思う.
わからずにインストールして得るものはほとんどないのではとも思う.
それならば簡単に手に入るUnixの端末がよい.
Linuxを使うのはそれ以降でもぜんぜん構わない.
どうせまっとうに情報理工学部にいれば,いつか使うことになるはずだ.

繰り返しになるが,
大学は計算機,Unixという考え方を学ぶことだと僕は考えている.
大学は,ツールではなく思想を学ぶ所だと最近考えている.
そして道具はそのための補助であるべきだと考えている.


僕が入学したときはiPhoneは日本では発売されていなかったし,Androidなんて物好きくらいしか持ってなかった.あぁ彼はそういえばiPod touchをスケジューラにしていたっけ.
手頃なクラウドのホスティングサービスもVPSもなかったし,レンタルサーバを借りて「ホームページ」やブログを立ち上げるのが主流であった.
ツールはどんどん変わっていくけれど,変わらないものを僕たちはツールを使うことで学んでいくのだと思う.


僕は働いてないから,もしかしたら現場ではWindows Serverを使うかもしれない.
でも普通のWindowsにはApacheなんて入ってない.
その時点でもう学べない.


買うことがゴールじゃなくて,使いこなすこと,そしてそこから学ぶことが目的だと僕は考えている.